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2019.10.24
世界的大会でも採用される ”コンバインド” とは

クライミング競技も世界選手権が終了し、今年最後の大会となるフランス・トゥールーズのIFSC複合予選会が2019年11月28日~12月1日に行われます。スポーツクライミングの大会観戦をより楽しんでいただくために、今回はこのIFSC複合予選会でも採用される採点方式「コンバインド」についてもう少し知ってみましょう。

 

3つの種目で競う、コンバインド

スポーツクライミングには「ボルダリング」「リードクライミング」「スピードクライミング」の3つの種目があります。ボルダリングはロープを付けない種類のフリークライミングで、登ることができたコース数を競うもの。クライマーに繋がれたロープを使い、登った高さを競うリードクライミング、登るスピードを競うスピードクライミング。コンバインドは、この3種目を複合した結果で成績を決める複合競技です。予選は20名で行われ、そのうち上位8名が決勝へ進出することができます。決勝ではまた3種目にトライすることとなります。

 

総合力と強い種目を持つことが鍵

コンバインドは、順位の出し方が特徴的です。対象となるのは1種目ごとの順位の数値で、3つの種目でその掛け算をし、総合で数値の少ない選手の順位が高くなります。コンバインドでは、まんべんなく全ての競技がこなせる選手より、1競技でも強みを持つ選手が上位にくる傾向があります。順位の出し方が順位の掛け算なので、1競技でも1位があることがものすごい威力を発揮します。ですが、掛け算した結果、同数になる場合は、相手と比較していい順位を多くとっている選手が上位であるとみなされます。例えば、3種のうち、選手Aは<1位、8位、8位>、選手Bは<4位、4位、4位>だとします。どちらも総合点では同じ64。ですが、選手Bのほうが選手Aよりも、良い順位を二度獲得しているので、この場合は選手Bのほうが上位の判定となります。観戦という部分においては、ぎりぎりで結果が覆ったり、結構変動が多いところはコンバインドならではの楽しさではないでしょうか。

 

監修/杉本 怜(プロフリークライマー)

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